ザブングル加藤はどれだけ貧しいか?貯金や年収は?

かつて月収200万円を超える活躍をしていたお笑い芸人・ザブングル加藤。 しかし、闇営業問題とコロナ禍の打撃により、一時は月収5000円、さらには0円という経済的な危機に直面した。 そんな加藤が現在、月40万円前後の安定した収入を得ながら、3000万円の貯金を実現させた秘密とは。

全盛期は月200万円、今は月40万円前後——劇的な年収変動の実態

ザブングル加藤歩は1974年10月26日生まれ。 1999年に相方・松尾陽介とお笑いコンビ「ザブングル」を結成し、2007年には「M-1グランプリ」決勝に進出するなど、お笑い界の第一線で活躍してきた。 全盛期には月収が200万円を超えることもあったと伝えられている。

しかし、加藤の人生は大きな転機を迎える。 2014年に事務所への無報告で反社会的勢力が関わった忘年会に出席した「闇営業問題」により、2019年6月から謹慎処分を受けることになったのだ。

この謹慎期間中、加藤は「半年ほど無収入」という厳しい状況に直面した。 その後、謹慎明けに活動を再開するも、直後に新型コロナウイルスのパンデミックが発生。 加藤は「ほぼゼロみたいな時もありました」と回想しており、2023年6月には月収わずか5000円、翌4月には月収0円という苦しい状況が続いた。

2児の父親である加藤は、妻と子ども2人を養い、住宅ローンも抱えていた。 そのため、消防設備会社の社長の誘いを受け、本格的に副業を始めることを決断する。

現在の加藤の年収は、複数の収入源から構成されている。 副業の消防設備士として月20~30万円、テレビ出演や講演活動で追加収入を得ており、月40万円前後の生活を実現させている。 全盛期と比較すると、約80%の収入低下であるが、加藤自身は「ある意味、今一番幸せかもしれないです」と述べており、心身の安定を得られたことへの満足度は高い。

消防設備士という「最強の副業」——月20~30万円、最高50万円まで可能

加藤がコロナ禍で活動を制限される中、大きな転換点となったのが消防設備士の仕事である。 テレビ番組で消防設備会社の社長と出会った加藤は、「副業でやってみませんか」という誘いを受けることになった。

この副業を選んだ理由について、加藤は「ビルとかって半年に1回点検しなければならないと法律で決まっている。 ビルはどんだけでもあるので、安定して仕事もあるし、AIにも奪われない仕事」と説明している。 実際に、加藤は「約1万部屋以上」のマンション・ビルを点検してきたという実績を持つ。

現在の副業による月収は「なんとなく2~30万円くらいになる」とのことだが、2025年8月の放送では、ネプチューン・名倉潤の「50万円くらいになるの?」との質問に「なりそうです」と答えており、実力次第では月50万円の収入も可能であることが明かされた。

勤務体系は「日給扱い」で、定時がなく「現場が終わればその日は終わる」というもの。 加藤は「週2~3回行ってます。 何回でも、もっと入れようと思ったら入れられる」と述べており、仕事量をコントロールできる柔軟性が特徴だ。

消防設備士の仕事は、単なる経済的な救いの手となっただけではない。 加藤は「マンションでいうと1万部屋以上」の点検を通じて、建物の安全を守る仕事の社会的意義を感じるようになり、「仕事中にイジられない?」との質問に対しても、「基本、みんなめっちゃやさしくて『お疲れ様です』ってドリンクくれたり」と、職場の人間関係にも恵まれていると語っている。

資格の多重取得が新たな収入源に——FP2級、宅建、消防設備士

加藤が現在の安定を構築した背景には、複数の国家資格取得があげられる。 コロナ禍で時間に余裕ができた加藤は、2023年にファイナンシャルプランナー(FP)2級と宅地建物取引士(宅建)に合格した。

FP2級の取得に至った理由について、加藤は「税金や保険、年金、不動産、相続税など、人生の中で必要なお金の知識を幅広く学べるので、ニュースを見ていても『なるほど、こういうことだったのか』と理解できるようになった」と述べており、自身の貯金哲学を深める動機となったことが伺える。

資格取得がもたらしたメリットは単なる知識習得に留まらない。 現在、加藤は「投資番組に出させていただいたり、不動産関係のイベントにも呼んでもらったり」と、これらの資格を活かした講演活動や番組出演で追加収入を得るようになった。 加藤自身も「相乗効果でいい感じになってきている」と述べており、複数の資格が相互に好循環を生み出す仕組みが構築されたのだ。

3000万円貯金の実現——「節約」を「副職」として捉える独特の哲学

加藤が最も注目を集める実績が、3000万円の貯金である。 2021年9月に出版された著書『月末に預金通帳を見るのが楽しくなる!手取り20万円台からはじめる3000万円貯金術大全』では、この達成までの過程と具体的な手法が詳細に記されている。

貯金実現の鍵となったのが、加藤の独特なお金に対する考え方である。 加藤は「節約」を、単なる我慢ではなく「仕事」として捉えている。 FP資格取得後、加藤は「僕のなかではいま『3つの仕事をしている』と思っている。 1つ目がお笑い、2つ目が消防設備士としての仕事、そして3つ目が『節約』です」と述べており、月5万円程度の「浮いたお金」を全額iDeCoなどの投資に回しているという。

加藤の節約術は、極めて実践的かつユニークである。 交通費削減のために「2、3時間くらいなら平気で歩く」という加藤は、1時間の歩きを「時給2500円」と換算し、徒歩移動によるトレーニング効果も組み込んだ時間管理を行っている。

さらに、携帯電話はUQモバイルの月980円プランを契約。 月3ギガの制限に対し、「節約モード」を活用してギガを消費せずにネットを利用するなど、細部にこだわった節約を実践している。

電気契約についても、元々50アンペアで基本料金が月1500円だったものを、30アンペアに変更して月900円に削減。 年間7000円の節約効果を生み出している。 家族と協力しながら、ブレーカーが落ちないよう家電使用のタイミングを調整するなど、心身ともに一体となった取り組みが行われている。

買い物でも同様の工夫が施される。 三軒茶屋に住む加藤は、近くのスーパーをはしごして特売品をチェック。 「スーパーごとの特徴を把握して安い商品を求めて自転車でスーパーをはしごする」という行動は、一見すると非効率に思えるが、加藤は「単純に楽しい」とポジティブに捉えており、この楽しさが継続の源となっている。

貧困状態からの脱却——「今が一番幸せ」という心の豊かさ

最終的に注目すべきは、加藤の現在の心情である。 月収が40万円前後に安定した現在、加藤は「ある意味、今一番幸せかもしれないです」と述べている。

これは、単なるポジティブシンキングではなく、人生哲学の深まりから生じた言葉のようだ。 加藤は「(若手の時みたいに)ネタで売れてやるとかいう感じじゃない」と述べており、売上や知名度の追求よりも、家族を養い、社会に貢献し、心身の安定を得ることの方が価値あると考えるようになったことが伺える。

2019年の闇営業問題から約6年。 月5000円、月0円という絶望的な状況を経験しながらも、加藤は自らの努力と工夫、そして複数の選択肢を持つことで、経済的にも心理的にも自立を達成したのである。

かつての月200万円時代は、華やかに見えるかもしれない。 しかし、加藤が現在語る「今一番幸せ」という言葉からは、経済状況よりも、その状況の中で自分たちがどう生きるかという選択の自由度が、真の豊かさを決定するのだということが伝わってくる。

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