安田大サーカス団長、消火活動で話題!なぜ防災士の資格を持っているのか?

なぜ今、団長安田が防災士として注目されているのか?

安田大サーカスの団長安田さんが防災士の資格を持っていることが今、大きな話題になっています。
2025年9月2日に東京・中目黒で発生した住宅火災では、偶然現場に居合わせた団長安田さんが消火活動に参加し、その時の状況についてメディアのインタビューに答えたことで、改めて彼の防災士としての活動が注目を集めています。
「ちょっと距離空けてたところでちょっと火が出てたんでお水でわーっとかけてた感じです」と語った団長安田さん。
この自然な行動の背景には、彼が防災士として培ってきた知識と意識があったのです。

阪神・淡路大震災での被災体験が原点

20歳で直面した震災の悲劇

団長安田さんが防災士の資格を取得した背景には、30年前の阪神・淡路大震災での被災体験があります。
1995年1月17日午前5時46分、当時20歳だった団長安田さんは兵庫県西宮市の自宅で就寝中に被災しました。
「グオー、どんどんどんどんどんどんどんっていう感じで、人が、自分が飛び跳ねてる感じでした」と、当時の激しい揺れを振り返っています。
家族は無事でしたが、家具は倒れ、ガラスも割れ、電気やガスが止まるなどの被害を受けました。

親友の死が人生を変えた

震災で最も大きな影響を与えたのは、小学校1年生からの友人だった山口恵介さん(当時20歳)を亡くしたことでした。
恵介さんはJR甲子園口駅前のビル内にある祖母の家に泊まっていて、ビルの倒壊により生き埋めとなりました。
団長安田さんは友人たちと24時間態勢で交代しながら5日間見守り続けましたが、恵介さんは救出されることなく亡くなりました。
この経験について「でもそこにいた記憶がないんです。だから(記憶が)飛んでる。ショックすぎたんじゃないですかね」と語っています。
当時の新聞にも、JR甲子園口駅前で倒壊したビルを前にぼうぜんとたたずむ団長安田さんの姿が掲載されました。
この出来事が、彼の人生を大きく変えることになります。

芸人への道と震災の記憶

友人の言葉が背中を押した

恵介さんの死は、団長安田さんに芸人への道を歩ませるきっかけとなりました。
それまでは好きな時に休んで働く「フラフラしてた」人生を送っていましたが、芸人への憧れはずっと持っていました。
「よう言ってくれたんです。『芸人になれ』って。恵介の死に顔見て人間いつ死ぬか分からんねやと思って。
売れないと恥ずかしいって思いもあったけど、20歳で寝てたらそのまま死ぬってこれよりしんどいことないなって」
友人の死を目の当たりにして、人生の儚さを痛感した団長安田さんは、すぐに松竹芸能の養成所に通い始めました。
2001年にHIROとクロちゃんとともにお笑いトリオ「安田大サーカス」を結成し、現在に至っています。

震災について語ることの意味

長い間、団長安田さんは震災について話すことを避けていました。
しかし、あるお坊さんから聞いた言葉が彼の考えを変えました。
「『人間には二つの死がある』と。
『一つは命が本当に亡くなった時。
もう一つはその人の名前や記憶が世の中から忘れ去られた時』。
で、二つ目の死を阻止することは俺はできるなと思った」
この言葉に山口恵介さんや犠牲者の顔が浮かび、「もっと皆に(震災のことを)伝えてって言われてる気がして」背中を押されたように感じたといいます。

防災士資格取得への道のり

2024年12月、ついに合格

2024年12月4日、団長安田さんは自身のX(旧ツイッター)で防災士の資格取得を報告しました。
合格通知書を片手にピースサインをした写真とともに、次のようにつぶやいています。
「『防災士』の資格 合格したよー!!来年1/17で、僕も被災した、阪神・淡路大震災から30年。
防災という言葉は知ってるけど 自分の経験の範囲でしか分からなかったので アホなりに一から勉強してみました まだ何ができるか分からないですが、『防災』について何か役にたてたらと思います」

防災士になるまでのプロセス

防災士の資格を取得するためには、以下の3つのステップが必要です。

  1. 防災士養成研修講座の受講:座学をはじめ、様々な講習を経て行われます。
  2. 救急救命講習修了証の取得:AEDの使い方や胸骨圧迫の手順なども学びます。
  3. 試験の合格:30問中24問正解(8割以上)で合格。

団長安田さんも、この過程を経て防災士の資格を取得しました。
試験では8割以上を正解し、見事合格を勝ち取っています。

防災士として期待される役割とは

平常時の活動

防災士は平常時において、以下のような活動が期待されています。

  • 防災啓発活動:地域住民への防災知識の普及・啓発
  • 防災訓練の企画・運営:避難訓練や消火訓練などの実施
  • 防災計画の立案:地域の実情に応じた防災計画の策定支援
  • 安全点検活動:地域の危険箇所の把握と改善提案
  • 防災資機材の整備・点検:消火器具などの管理

災害時の活動

災害が発生した際には、防災士には以下のような役割が求められます。

  • 避難誘導・救助活動:住民の安全確保と率先した行動
  • 避難所の運営・支援:避難所開設や運営のサポート
  • 初期消火活動:火災発生時の初期対応
  • 情報収集・伝達:正確な災害情報の収集と住民への伝達
  • ボランティア団体との協働:各種支援団体との連携

リーダーシップの発揮

防災士に特別な権利や義務があるわけではありませんが、その知識とスキルを活かして災害時の混乱の中でも冷静に判断し、迅速に対応する能力が期待されています。
地域コミュニティの安全性を向上させる重要な役割を担っているのです。

「世界一おもしろい防災士」を目指して

お笑い8割、震災2割の講演スタイル

現在、団長安田さんは「世界一おもしろい防災士」を目指して活動しています。
講演でのモットーは「お笑い8割、震災2割」で語ることです。
「1回専門の人の講演を見に行って、率直に面白くは無いなと思って。
集中力ないんで、しんどいなと思っちゃったんですね。
例えばクロちゃんの悪口8割言うて、2割震災の事で刺さればそれで良いし、10個言うて10個なんてなかなか刺さらへんなって」
この独自のアプローチにより、より多くの人に防災の重要性を伝えることができると考えています。

実際の講演活動

2025年に入ってからも、団長安田さんは積極的に講演活動を行っています。

  • 2月22日:川崎市の鷺沼小学校PTA講演会で約70人を前に講演
  • 5月11日:TBSラジオ番組で防災自転車のアイデアを披露
  • 5月18日:戸越銀座まちなか防災フェスティバルで講演

これらの講演では、「説得力も増すだろう」と防災士の資格を活かし、自身の被災経験と専門知識を組み合わせた内容を披露しています。

中目黒火災での実践的対応

偶然の遭遇が示した防災意識

2025年9月2日午後3時半頃、東京・目黒区中目黒で発生した住宅火災。
3階建ての住宅など3軒、合わせて195平方メートルが焼け、70代女性1人が亡くなるという悲しい事故でした。
この火災現場に偶然居合わせた団長安田さんは、自然に消火活動に参加していました。
「ちょっと距離空けてたところでちょっと火が出てたんでお水でわーっとかけてた感じです」と語った彼の行動は、防災士として培った知識と意識が自然に表れたものでした。

防災士としての実践

この時の行動は、防災士に期待される「初期消火活動」そのものでした。
適切な距離を保ちながら水をかけるという判断は、防災士の研修で学んだ知識が活かされた結果といえるでしょう。
また、現場の状況についてメディアに対して冷静に説明する姿勢も、防災士として期待される「情報伝達」の役割を果たしていました。

安田大サーカスの資格への取り組み

クロちゃんの多彩な資格

団長安田さんの防災士取得を機に、安田大サーカスのメンバーの資格への取り組みも注目されています。
特にクロちゃんは多くの資格を保有していることで知られています。

  • 社会福祉士主事任用資格
  • アロマコーディネーター(2008年取得、半年間勉強)
  • カポエィラ有段者
  • 社交ダンス1級

クロちゃんは2018年に自身のブログで「いろんな資格もちだしん!」と投稿し、これらの資格について紹介していました。
特にアロマコーディネーターについては、「今日はアロマコーディネーターなので、香りとクロちゃんで二重に癒しちゃいますよ」と自信を持って語っています。

グループとしての多様な専門性

HIROを含む安田大サーカスの3人がそれぞれ異なる分野で専門性を持つことで、グループとしての幅広い活動が可能になっています。
団長安田さんの防災士資格も、このような多様な専門性の一環として位置づけられるでしょう。

防災活動の今後の展望

防災自転車プロジェクト

団長安田さんは自転車愛好家でもあり、現在「防災自転車」を作るというプランを描いています。
そのアイデアの一つが「AED(自動体外式除細動器)を自転車に搭載する」というものです。
このプロジェクトは、防災士としての知識と自転車への情熱を組み合わせた独自の発想で、実現すれば災害時の機動的な救助活動に大きく貢献する可能性があります。

地域防災活動への貢献

団長安田さんは今後も地域の防災活動により積極的に参加していく意向を示しています。
「まだ何ができるか分からないですが、『防災』について何か役にたてたらと思います」という言葉通り、芸人としての知名度と防災士としての専門知識を活かした活動が期待されています。

防災意識の普及

「世界一おもしろい防災士」として、従来の堅いイメージの防災啓発活動とは一線を画したアプローチで、より多くの人々に防災の重要性を伝える役割を果たしています。
特に若い世代や防災に関心の薄い層に対して、エンターテインメント性を交えながら防災知識を普及させる効果が期待されています。

まとめ:経験と学びが生んだ真の防災リーダー

安田大サーカスの団長安田さんが防災士の資格を持つ理由は、単なる資格取得への興味ではありません。
30年前の阪神・淡路大震災で親友を失った悲しい経験と、その後の長い年月をかけた内省、そして「二度目の死を阻止したい」という強い使命感が彼を防災士へと導いたのです。
2024年12月の資格取得から約8か月、2025年9月の中目黒火災での自然な消火活動参加まで、団長安田さんの防災士としての活動は着実に実を結んでいます。
「説得力も増すだろう」と語った通り、被災経験と専門知識を併せ持つ彼の言葉には、多くの人の心に響く力があります。
彼が目指す「世界一おもしろい防災士」は、決して防災を軽んじるものではありません。
むしろ、真剣な防災啓発活動をより多くの人に届けるための手段として、お笑い芸人としてのスキルを活用しているのです。
今後も団長安田さんは、亡き友人である山口恵介さんの思いを胸に、防災士として、そしてお笑い芸人として、人々の命と笑顔を守る活動を続けていくことでしょう。
彼の取り組みは、防災活動の新しい可能性を示すものとして、多くの人に希望と勇気を与えています。

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