乃木坂46、マリオパーティのお詫びはなぜ?Content IDとは?

2025年10月18日、人気アイドルグループ乃木坂46が公式サイトでYouTubeチャンネル「乃木坂配信中」でのトラブルについて謝罪を発表しました。

この騒動は、マリオパーティのゲーム実況動画をきっかけに発生し、ゲーム配信業界で大きな話題となりました。

何が起こったのか

乃木坂46の公式YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」は、2025年9月19日に「【マリオパーティ】同期4人でマリパ遊んでみた!【乃木坂ゲーム実況】【Nintendo Switch 2】」という動画を公開しました。

この動画では、6期生の大越ひなの、海邉朱莉、長嶋凛桜、森平麗心の4人が「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」をプレイする様子が収められていました。

問題が発生したのは、この動画の公開作業時です。

スタッフの操作ミスにより、YouTubeの「Content ID(コンテンツID)」が有効となってしまいました。

この設定ミスにより、乃木坂46のゲーム映像が任天堂の著作物として誤って登録されてしまう事態となりました。

その結果、同じく「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」のゲーム実況をしていた一部の動画配信者に対して、権利侵害に関する申し立てが自動的に行われることになりました。

これにより、影響を受けた配信者の動画は一時的に収益化が停止される事態となりました。

Content IDとは何か

Content ID(コンテンツID)は、YouTubeが提供する自動コンテンツ識別システムです。

著作権者が自分の所有するコンテンツを含むYouTube動画を発見しやすくするための、柔軟性の高い自動識別システムとして2007年に導入されました。

このシステムの仕組みは次の通りです。

権利者が音源や映像をYouTubeのContent IDシステムに登録すると、YouTubeはそのデータの特徴点を抽出したフィンガープリントデータを作成します。

その後、YouTubeにアップロードされるすべての動画は自動的にスキャンされ、登録された音源や映像と一致するものがないか照合されます。

一致するコンテンツが見つかると、Content IDによる申し立てが行われます。

申し立て時の対応パターン

  • ブロック:動画を視聴できないようにする設定です。
  • マネタイズ(収益化):動画に広告を付けて収益を発生させ、その収益を権利者に分配します。
  • トラック:動画の視聴状況を追跡する設定です。

Content IDを利用できるのは、YouTubeが認める一定の基準を満たした権利者のみです。

通常はレコード会社、音楽事務所、映画会社、テレビ局などが対象になります。

被害の広がりと発覚の経緯

この設定ミスにより、マリオパーティの実況配信者が次々と影響を受けました。

特に注目を集めたのが、YouTuber・KUNさん主催の実況グループ「ニート部」メンバー「できおこ」さんのケースです。

できおこさんの動画は停止され、異議申し立てをしても約1ヶ月放置される事態が続きました。

10月17日、KUNさんがこの件を告発する動画を公開。

その後SNS上で拡散され、乃木坂46の動画コメント欄が荒れるほど話題に。

翌日10月18日、乃木坂46は公式サイトでお詫びを発表し、Content IDの設定を解除しました。

対応の遅れへの批判

「発覚後すぐ修正」とされていましたが、実際には約1ヶ月間放置されていたことが判明。

コメント欄やSNSでは「1ヶ月間も気付かないのは管理体制に問題がある」といった批判が相次ぎました。

過去にも類似トラブルが

同様の事例としてよく比較されるのが、2023年のTBS宇内梨沙アナウンサーによる『SEKIRO』実況トラブルです。

このときも、Content IDの誤設定が原因で別の配信者に誤申立てが発生したものの、TBSは即日謝罪し修正しました。

今回の乃木坂46の件では対応の遅れが批判拡大の要因になりました。

メンバーを擁護する声も

ネット上では「メンバーは関係ない」「運営のミスで評判を下げるのはかわいそう」といった声も多数寄せられました。

Content IDミスは完全にスタッフ側の操作によるもので、出演した6期生メンバーは無関係です。

収益化停止の補償問題

YouTubeでは、誤申立てによって一時的に収益が止まっても、解決後に収益が戻る場合があります。

ただし、今回の件で配信者に対して具体的な補償があるのかは不明です。

今後の再発防止に向けて

乃木坂46は「確認体制を見直す」としています。

Content IDは便利な反面、誤操作で広範囲に影響するため、チェック工程の強化が求められています。

まとめ

今回の騒動は、YouTubeの自動著作権管理機能のリスクを広く知らしめるきっかけとなりました。

有名チャンネルほど慎重な運営が求められることを示す一件と言えるでしょう。

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