「口に関するアンケート」という作品名を聞いたことがありますか?
SNSを中心に「怖すぎて人に話せない」「読んだ感想を何一つ言えない」といった独特の評判が広がっている、現在最も注目されているホラー小説です。
この記事では、原作の存在、その秘密、そして最近の大きなニュースについて詳しく解説します。
原作は確実に存在する。 背筋による話題のホラー小説
結論から述べると、「口に関するアンケート」の原作は確実に存在します。
この作品は2024年9月4日にポプラ社から出版されたホラー小説で、著者は背筋(せすじ)という作家です。
背筋氏は2023年にKADOKAWAから「近畿地方のある場所について」でデビューし、その作品が「このホラーがすごい! 2024年版」で1位に選ばれるなど、ホラー界で注目を集めている存在です。
「口に関するアンケート」は、スマートフォンよりも小さい手のひらサイズの異例な装丁と、わずか60ページという短さが特徴です。
この独特なビジュアルと、短編の中に凝縮された強烈な恐怖体験が、発売以来大きな話題を呼んでいます。
SNSを中心に「小さすぎて逆に怖い」「怖すぎて人に薦めたくても薦められない」といったコメントが拡散し、累計32万部を突破するヒット作となっています。
物語の構成――大学生たちの不可解な証言
この作品の最大の特徴は、その独特な物語構成にあります。
舞台となるのは、心霊スポットとして知られる霊園(墓地)です。
肝試しに訪れた大学生たちが遭遇した不可思議な出来事は、複数の登場人物の音声データ形式で記録されています。
物語は、インタビュー形式で5人の大学生が、企画した肝試しで起きた怪異と悲劇について語っていくという展開になります。
各証言の始まりには日付と時間を示す数字が記載されており、読者は徐々にこれらの情報から真相を推理していくことになります。
登場人物たちは、翔太、竜也、美玲、杏(あん)、健、颯斗など、同じ大学のグループとオカルト研究部のメンバーで構成されています。
物語が進むにつれ、読者は複雑な関係性と時系列の不一致に気づきます。
当初はただの怖い心霊体験の話として受け取られる証言ですが、やがて三角関係や人間関係のトラブルといった現実的な要素が浮かび上がります。
物語の各層が丁寧に組み立てられており、謎解き要素が含まれているのです。
ラスト2ページの仕掛け――「口に関するアンケート」が全てを変える
この作品の最大の衝撃は、巻末に収録された2ページほどの簡潔な「口に関するアンケート」にあります。
ここはただの読後アンケートではなく、物語全体の構造を解き明かす真のクライマックスとなっています。
アンケートに答えていく過程で、読者は衝撃的な真実に直面することになります。
これまで読んできたインタビューの書き起こしだと信じていた文章が、実は別の意味を持っていたこと、登場人物たちの証言が何を暗示していたのかが明らかになるのです。
その瞬間、物語全体が再構築されます。
さらに巧妙な点は、アンケートの質問が読者を不安定な心理状態へと導くことです。
特に「この話を他人に伝えようと思いますか?」という問いは、物語の呪いが読者自身にその責任を負わせるような仕掛けになっています。
「はい」と答えれば呪いの拡散に加担することになり、「いいえ」と答えても物語の恐怖から逃れることは難しい。
この巧妙なトラップが、読者に「怖すぎて人に話せない」という独特の読後感を与えるのです。
作品全体を貫くテーマ――「口は災いの元」
「口に関するアンケート」全体を通じて貫かれているテーマは、古い日本の慣用句「口は災いの元」です。
ただ言葉が多いと損をするという表面的な意味ではなく、この作品では言葉そのものが現実を歪める力を持つことが表現されています。
登場人物たちの証言、その言葉選び、そして読者に向けられたアンケートの質問――これら全てが、言葉がいかに恐怖を増幅させ、現実を変えていくかを描いています。
短編という限られた紙幅の中で、この深いテーマを見事に表現した作品として高く評価されているのです。
音声化による新しい表現――Audibleでの体験
この作品の恐怖体験をさらに引き立てるのが、Audible版の存在です。
音声形式で読む(聴く)ことで、活字版とは異なる、より一層の恐怖が体験できるとして、多くの読者から推奨されています。
各登場人物の声によって証言が語られることで、物語への没入感が深まり、その不気味さが増すのです。
大きなニュース――映画化が決定
そして2025年11月23日、この作品に大きな動きがありました。
X(旧Twitter)に「アンケートにご協力ください」という謎のアカウントが現れ、口の画像とアンケートの回答を求める投稿を開始しました。 直後に、ワーナー・ブラザース・ジャパン公式アカウントが反応し、映画化がほぼ確定的となったのです。
その後、正式な発表により、背筋の短編ホラー小説「口に関するアンケート」が2026年に実写映画化されることが決定しました。
主演は板垣李光人、監督は「呪怨」シリーズなどで知られるホラー監督の清水崇が務めます。 これは、背筋の別作品「近畿地方のある場所について」が2025年夏に映画化され、興行収入15.5億円を突破する大ヒットとなったことに続く、二度目の映画化です。
映画版では、原作の「あの夜、何が起きたのか?」という中心的なテーマを保ちながら、映画だからこそ表現できる恐怖体験を目指すとされています。
配給はワーナー・ブラザース映画で、全国公開予定です。
読者からの評価と反応
この作品に対する読者からの評価は非常に高く、複雑で多層的な物語構造が何度も読み返したくなる面白さを生み出しています。
簡潔な文章でありながら情景描写が豊かで、読者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わえることが指摘されています。
また、同じ作品を読んだ人同士でも、その解釈や感じた恐怖が異なる場合があります。
物語が曖昧さを残す設計になっており、読者が自分の解釈で余白を埋めることで、さらに怖さが増すという構成になっているからです。
これにより「読んだ感想を何一つ言えない」という独特の読後感が生まれるのです。
また、SNSでは「このホラーがすごい! 2024年版」での1位受賞や、60ページという短さながら強烈な恐怖を与える作品として、多くの人が推奨・言及しており、口コミでの拡散が続いています。
まとめ
「口に関するアンケート」は、確かに原作が存在し、現代ホラー界を代表する作品の一つとなっています。
わずか60ページながら、複雑な物語構造、秀逸なテーマ設定、そして衝撃的なラストページの仕掛けによって、読者に忘れられない体験をもたらしています。
そして2025年11月、映画化が正式に決定されたことで、この作品はさらに多くの人に知られることになるでしょう。
映画版の公開は2026年で、板垣李光人と清水崇監督によって、原作の恐怖がいかに映像化されるのかが注目されています。
まだ読んでいない方は、原作の短編を手に取ってみることをお勧めします。
ただし、読了後に「この話を他人に伝えようと思いますか?」という問いに直面することになるでしょう。
その時、あなたはどう答えるでしょうか。


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