スペインから日本帰国の背景
学業上の重要な決断
瑛史がソシエダを退団し日本に帰国する理由について、スペインの地元紙が詳細を報じている。
同紙によると、瑛史は今夏に「学業上の重要な決断」を迫られたという。
ギプスコア州（スペイン）で学び続けるか、母国である日本で新たな学業を始めるかという選択肢の中で、最終的に母国での新たな学業を始めることを選択したとのことだ。
この決断について、レアル・ソシエダ側も「エイジの状況に全面的な理解を示し、彼が望む道を進む完全な自由を与えた」と述べており、クラブとしても瑛史の将来を第一に考えた温かい対応を見せた。
兄・建英の去就とは無関係
一部で兄・建英の移籍と関連付けて報じられることもあったが、ソシエダ側は「このニュースはファンの間で不安を抱かせたかもしれないが、彼のクラブからの退団は、タケの将来に何ら影響を与えるものではない」と明確に否定している。
瑛史の移籍は純粋に彼個人の判断によるものであることが強調されている。
なぜセレッソ大阪なのか
同世代の成功例が決め手
セレッソ大阪が瑛史の移籍先として選ばれた背景には、同じくスペインから移籍してきた高橋仁胡の存在が大きいとされている。
高橋は2024年7月にバルセロナ下部組織からセレッソ大阪に加入し、現在18歳でトップチームでプレーしている。
同じくスペインの名門クラブ出身で、海外経験を持つ選手が活躍している環境は、瑛史にとって心強い要素となったはずだ。
優れた育成実績
セレッソ大阪は乾貴士、南野拓実、西川潤など数多くの才能を育成し、世界に送り出してきた実績を誇る。
瑛史にとっても、Jリーグでの経験を積み、さらなる成長を遂げるのに適した環境と判断されたのだろう。
瑛史のプレースタイルと特徴
スビメンディ型のボランチ
スペインの現地メディアは瑛史について、「タケよりもマルティン・スビメンディに似ている」と評している。
瑛史の主戦場はボランチ（守備的ミッドフィルダー）で、兄の建英がアタッカータイプであるのに対し、瑛史はバランス型のミッドフィルダーとして特徴づけられている。
具体的な特徴
- 高精度のパスでゲームを組み立てる
- 危険察知能力に優れ、インターセプトが多い
- 攻守のバランス感覚に優れ、リスク管理も巧み
- タックルよりポジショニング重視の守備
兄弟の共通点と相違点
現地紙の報道によると、物理的には「タケとエイジは水と油」とされており、「タケは小柄ながらも下半身の強さがしっかりしているが、エイジは背が高くて痩せ型」と説明されている。
しかし、唯一の共通点として「この2人からボールを奪うのはかなり難しい」ことが挙げられており、技術的な巧さは兄弟共通の特徴となっている。
ソシエダでの実績と評価
下部組織での着実な成長
瑛史は2022年にソシエダの下部組織に加入し、3シーズンを過ごした。
兄の建英と同じ期間をソシエダで過ごしたことになる。
下部組織では背番号6番でプレーし、地元メディアからは「兄のレベルと才能を想起させるクオリティを見せた」と評価されていた。
2024-25シーズンからはU-19チームに昇格し、競争が激しいバスク地方のユースカテゴリーでも次第に名前を上げていたという。
セレッソでの今後と期待
早期デビューへの期待
今夏スペインの高校を卒業した瑛史は、すでにセレッソ大阪のトップチームでの練習に参加している。
早ければ8月23日の神戸戦には出場登録も完了する見込みで、兄の建英がFC東京U-23で15歳5か月1日の最年少Jリーグデビューを果たしたように、瑛史も早期デビューが期待されている。
香川真司からの学び
セレッソ大阪には元日本代表の香川真司も所属しており、海外経験豊富な先輩から多くのことを学べる環境が整っている。
これは瑛史にとって貴重な財産となるだろう。
ファンの反応
SNS上では「久保建英の弟ではなく、久保瑛史として見ようじゃないか！」という声や、「実質ラリーガからの補強でしょ？」といった期待の声が多数寄せられている。
一方で、「兄と同じく賢い選択」として、欧州の下部チームでくすぶるよりもJリーグで実戦経験を積む判断を評価する声も目立つ。
日本サッカー界への影響
次世代の中盤を担う存在
瑛史の加入は、日本サッカー界の中盤の将来に新たな希望を与えている。
海外経験を持つ同世代の選手が国内でプレーすることで、切磋琢磨する環境がさらに強化され、日本サッカー全体の成長を後押しすることが期待される。
兄弟での代表共演の可能性
現在17歳の瑛史が順調に成長すれば、将来的にU-20やU-23代表への選出も現実味を帯びてくる。
さらには、兄と共に日本代表で共演する姿が実現すれば、日本サッカー史に残る感動的な瞬間となることは間違いない。
まとめ
久保瑛史のセレッソ大阪電撃加入は、学業と将来のキャリアを総合的に考えた賢明な判断といえる。
スペインの名門クラブで培った技術と戦術眼を武器に、Jリーグという新たな舞台で実戦経験を積むことで、さらなる成長が期待される。
兄・建英とは異なるタイプの選手として、ボランチというポジションから日本サッカーの未来を担う存在になる可能性を秘めている。
17歳という若さでの挑戦は始まったばかりだが、セレッソ大阪というクラブの優れた育成環境の中で、瑛史がどのような成長を見せるのか、サッカーファンの注目が集まっている。
「久保建英の弟」という看板を背負いながらも、瑛史自身の個性と実力で日本サッカー界に新たな風を吹き込むことが期待される。
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