はじめに
お笑い芸人・小籔千豊の元には、芸能界で活躍する若い才能たちが集まり続けている。
その中でも特に注目されるのが、タイムレスの篠塚大輝と、女優・フィギュアスケーターの本田望結という二人の存在だ。
一見すると接点がなさそうな二人が、なぜ小籔を師匠と呼ぶようになったのか。
その経緯と二人と小籔の関係について、最新情報を交えながら紐解いていく。
タイムレス篠塚が小籔千豊に魅了された理由
中学時代から「先生」と定めた存在
タイムレスの篠塚大輝は、2025年4月に文化放送『レコメン!』の番組内『timeleszのQrzone』に出演した際、好きな芸人について語った。
その時の発言は、彼がいかに小籔を尊敬し続けているかを物語っている。
「1番好きなのはもうずっといて、小籔さん(小籔千豊)です」
この言葉は単なるリップサービスではない。
篠塚は「中学生ぐらいの時から」小籔を好きだったと明かし、さらに興味深いエピソードを披露した。
通っていたのが大阪の男子校だったという篠塚は、「面白くないとちょっと辛いみたいなところがあった」と回想。
そこで彼が取った行動は、極めてユニークだった。
「色々勉強しようと思って、俺が先生にしたのが小籔さんだったっていう」
つまり、篠塚は能動的に小籔を自らの「お笑いの先生」と設定したのだ。
学校という環境の中で、テレビを通じて小籔の芸を研究し、笑いのセンスを磨いていったわけである。
このような姿勢が、後々のタイムレス加入へとつながる基礎を作っていたのだろう。
本当の意味での「尊敬」を集める小籔
篠塚が中学時代から小籔を師匠と定めた背景には、単なる「面白さ」だけではなく、小籔というお笑い芸人としての総合的な力量があるはずだ。
吉本新喜劇の舞台に立ち、バラエティ番組やドラマなど多岐にわたるメディアで活躍する小籔の姿を、篠塚は若い頃から観察していたのである。
高校時代には芸人のYouTubeをよく見ていたという篠塚だが、その中でもニューヨークへの言及が興味深い。
ニューヨークがYouTubeでラジオのようなコンテンツを展開していたことに触れながら、「タイプロ見ました」というコメントをもらったことで「すごい嬉しかった」と述べている。
このように、篠塚は常に笑いの質を追求し続ける人物であり、その過程で小籔の重要性をますます認識していったのだと考えられる。
本田望結が小籔千豊と出会った運命的なきっかけ
中学生の頃のテレビ番組がすべての始まり
本田望結と小籔千豊の出会いは、より直接的だった。
女優兼フィギュアスケーターである本田が、小籔がMCを務めるスポーツバラエティ番組『こやぶるSPORTS』(関西テレビ)のアシスタントを務めたことが、二人の関係のきっかけになったのである。
「中学生ぐらいの頃から小薮さんのスポーツ番組でアシスタントをやらせてもらい、毎週お会いしていました」
毎週顔を合わせるという頻度は、単なる知人を超えた関係を生み出す。
本田は当初、小籔に対して少し厳しいイメージを持っていたという。
しかし、その固いイメージはあるきっかけで一変した。
「それまでは小薮さんは少し厳しいイメージもありドキドキしていたのですが、あいさつしようと待っていたら、『待っててくれなくても良かったのに。お願いね』ってニコッと笑ってくださって。その『ニコッ』にやられてしまい、『小籔さん大好き!』となりました」
この瞬間が、本田にとって人生を大きく変えるターニングポイントになった。
小籔の優しさと包容力に引き寄せられた本田は、その後、悩み事があるたびに小籔に相談するようになったのである。
人生の大きな決断を支えた小籔の言葉
本田が直面していた人生最大の課題は、俳優とフィギュアスケーターの両立を続けるか、どちらかに絞るかという決断だった。
3歳から両方の活動を続けていた本田は、中学を卒業する時期に深く悩んでいた。
「自分はどっちも続けていきたいけど、ひとつにしぼった方が良いのかな」という迷いが、彼女の心を占めていたのだ。
その時、本田が相談したのは、やはり小籔だった。
小籔さんの番組でアシスタントをしていたとき、中学校の卒業を迎えるタイミングで、本田は自らの葛藤を打ち明けたのである。
小籔の返答は、シンプルながら、本田の人生の進路を変えるほどの力を持っていた。
「まわりの意見を聞くから迷うんや。地球上に望結ちゃんしかおらんかったら、望結ちゃんは絶対に両方するやろ?」
この言葉で、本田は目が覚めた思いがしたという。
自分の心の中に既に答えが存在していること、周囲の雑音に耳を傾けるから迷うのであること、そうしたことに気づかされたのだ。
「ああ、本当にそうだ!と気づきました。確かに、私はいま、両方がやりたい。だったら、誰が何と言おうとやればいいんだ、って。小籔さんの言葉で吹っ切れて、以来このことで悩むことはなくなりました」
この決断が、現在の本田の活躍を支える基礎となった。
女優としてNHK連続テレビ小説『らんまん』に出演し、フィギュアスケーターとしても競技を続けている本田の人生は、小籔のこの一言に大きく支えられているのだ。
「人間としての師匠」へと昇華した関係
高校卒業後の食事と絆の深化
本田と小籔の関係は、年月とともにさらに深くなっていった。
高校を卒業するタイミングで、小籔は本田を食事に連れていったという。
「高校を卒業したタイミングの頃、食事に連れていってくださったのですけど、私が人生で家族以外の方とごはんを食べたのは小薮さんが初めて」
この言葉から、本田がいかに小籔を特別な存在として信頼していたかが伝わってくる。
人生で初めて家族以外の人と食事をする相手が小籔だったというのは、彼女の信頼の深さを示す何よりの証拠である。
「師匠」の公式認定
本田の小籔への信頼は、より公式な形で表明されることになった。
2025年1月9日、東京MXドラマ『ふたりソロキャンプ』の記者制作発表会で、本田は重要な発言をした。
作品にちなんで弟子入りしたい人を問われた本田は、躊躇なく答えた。
「弟子入りしちゃってるのですが、小籔さんです。人間としての師匠です」
さらに彼女は、その関係の深さについて詳しく語った。
「会っているときも、連絡しているときも、師匠と呼んでいる方です。ちょっとした悩みができても、何でも言っちゃうので、小籔さんとけんかしたら大変です。なんでも知っているので」
この発言から明らかなのは、本田にとって小籔は単なる「相談できる先輩」ではなく、人生における本質的な指針となる存在だということだ。
彼女は小籔を「人間としての師匠」と表現することで、笑いのテクニックや演技の指導といったレベルを超えた、人格形成における影響力を認めているのだ。
小籔千豊という存在の根底にあるもの
包容力と洞察力の統合
タイムレス篠塚と本田望結という二人が、それぞれの時点で小籔を「師匠」と定めた理由は、彼のお笑い芸人としてのスキルだけでは説明できない。
篠塚の場合は、「笑いの質を極める存在」としての小籔に魅力を感じた。
本田の場合は、「人生の指針を示してくれる存在」としての小籔に惹かれた。
この二つの共通点は、小籔が持つ包容力と洞察力にある。
篠塚が中学時代に「先生」として選んだのは、その笑いの深さの中に人生哲学が存在していたからだろう。
本田が相談を重ねたのは、相手の話を静かに聞き、その本質を見抜く力を小籔が持っていたからである。
吉本新喜劇から生まれた人間力
小籔は吉本新喜劇の舞台で長年活動してきた。
舞台という即興性の高い環境で、毎日のように観客と向き合う中で、彼は人間の本質を深く理解したのだろう。
その経験が、篠塚や本田のような若い世代に対する、的確で温かみのあるアドバイスに結実しているのではないだろうか。
結論:師匠と弟子を結ぶ信頼の絆
タイムレス篠塚と本田望結が小籔千豊の弟子になった経緯は、決して計画的なものではない。
篠塚は偶然テレビで見た小籔を「先生」と定め、本田は仕事の現場で小籔と関係を深めていった。
しかし、その出会いが必然的なものへと昇華した背景には、小籔が持つ笑いの力と人間的な深さがある。
年齢や立場を超えて、二人の若き才能を支え続ける小籔の姿は、真の意味での「師匠」がいかなる存在であるかを示している。
芸能界という競争が激しい世界の中で、こうした信頼と尊敬に基づいた関係が存在することは、若い世代にとって何よりの羅針盤となるだろう。
篠塚の笑いのセンス、本田の人生の選択、両者の成長を支えてきた小籔千豊という存在の重要性は、これからもますます大きくなっていくはずである。


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