実は本間昭光、意外な曲を手がけていた!知られざる名曲の発見

日本のJ-POP界で数々のヒット曲を生み出してきた音楽プロデューサー・本間昭光。
ポルノグラフィティの「アポロ」「サウダージ」「アゲハ蝶」、いきものがかりの「ありがとう」の編曲、そして槇原敬之の名曲「もう恋なんてしない」など、誰もが知る楽曲を多数手がけてきた彼だが、実はその陰で数多くの「意外な楽曲」を世に送り出している。
音楽ファンの間では「本間昭光率」という言葉まで生まれ、「好きな曲の本間昭光率ホンマに高いんよなぁ」という声も聞かれるほどだ。

20年越しで蘇った幻の名曲

最も話題となっているのは、2023年に21年の時を経て配信リリースされた藤井隆の楽曲「負けるなハイジ」だろう。
この楽曲は2002年に藤井隆のデビューアルバム『ロミオ道行』のリリース記念コンサートのために、松本隆作詞、本間昭光作編曲で書き下ろされたライブ限定楽曲だった。
長い間アルバムに収録されることなく、コンサート会場でしか聴くことのできない「幻の楽曲」として多くのファンの記憶に残り続けていた。
「21年間ずっと気になってた1曲でした」と藤井隆は振り返る。
2023年5月、東京・I’M A SHOWで開催された「藤井隆 meets 松本隆『ロミオ道行』~再演&外伝~」において、本間昭光による新アレンジが施され、藤井が新たにボーカルをレコーディングした音源として21年ぶりに蘇った。
この奇跡の復活は、本間昭光の楽曲に対する愛着と、時を越えても色褪せない音楽の力を物語っている。

隠れた名曲への深い愛情

本間昭光は、J-POPの大ヒット曲を手がける一方で、「シングルA面じゃない隠れた名曲」への造詣も深い。
テレビ朝日の音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」では、椎名林檎の楽曲「あの世の門」を推薦し、「椎名林檎史上最高の無国籍音楽」と評価した。
「毎回どこにアンテナを張ってるんだろうこの人は、みたいな感じで。やっぱりいろんなところから持ってくる感じが、全部自分のものにしてしまうあの感じ」と語る本間の視点は、メインストリームだけでなく、音楽の多様性と芸術性への深い理解を示している。

アーティストを支える編曲の妙技

ポルノグラフィティとの楽曲制作では、特に興味深いエピソードがある。
デビュー曲「アポロ」から「アゲハ蝶」まで、本間・晴一体制で制作された楽曲群は、ポルノの全盛期を支えた。
しかし、本人たちは「自分達が作曲していない曲がヒットしたことにコンプレックスを抱えていた」という複雑な心境を抱えていたという。
この関係性について、ポルノの岡野昭仁は「皆さんが知ってる曲はほぼ本間さんが作った曲。それをコンプレックスに思ってた時期もあった」と振り返る。
しかし後に、「誰が作ってるとか関係なく、ポルノってものを認識してくれてるんだって思ったとき、肩の荷が下りた」と語り、本間の楽曲がアーティストの成長にも大きな影響を与えたことがうかがえる。

多彩なジャンルへの挑戦

本間昭光の「意外な楽曲」は、J-POPの枠を超えて様々なジャンルに及んでいる。
近年では、ミュージカル「花より男子」の音楽を担当し、アニメの劇伴制作にも携わっている。
また、天童よしみの50周年記念アルバム『帰郷』のプロデュースを手掛けるなど、演歌・歌謡界での活動も注目されている。
特に注目すべきは、AKB48関連楽曲での編曲参加だ。
「17END」という楽曲で本間昭光名義での編曲クレジットが確認されており、アイドル楽曲の分野でも彼の手腕が発揮されている。

プライベートスタジオでの新たな創作

2023年に自身のプライベートスタジオ「FORCE RECORDINGS」を立ち上げた本間昭光は、創作活動にさらに力を入れている。
スタジオ建設については、設計から空間作り、機材選定まで本間自らが関わり、「いかにお金をかけずに居心地の良い空間を作るか」をテーマに構築された。
新スタジオでは、これまでの経験と知識を活かした新しい楽曲制作が期待されており、さらなる「意外な楽曲」が生まれる可能性を秘めている。

還暦を迎えた音楽界のレジェンド

2024年12月に還暦を迎えた本間昭光を祝うコンサート「Akimitsu Homma 60th anniversary concert ‘RESONANCE’」が2025年9月26日・27日に東京ガーデンシアターで開催される。
いきものがかり、ポルノグラフィティ、槇原敬之、鈴木雅之といったメインアーティストに加え、亀梨和也、清塚信也、木村カエラ、鈴木愛理、武部聡志、藤井隆、渡辺美里というスペシャルゲストが出演予定だ。
このコンサートは、本間昭光がこれまでに関わった多彩なアーティストとの楽曲が一堂に会する貴重な機会となる。
演出を手掛けるのは本間の師匠である松任谷正隆で、本間の音楽人生を総括する記念すべきイベントとなりそうだ。

本間昭光の楽曲制作哲学

「音楽的なことは後から付いてくるものなんです」と語る本間昭光の制作哲学は、アーティストの個性を最大限に活かすことにある。
「アーティストにとって、今一番必要なことを自然体で促す」という彼のプロデューススタイルは、多くのヒット曲を生み出す原動力となっている。
編曲家として心がけているのは「意外性」だといい、「こんな引き出しもあったのかと驚かれる音楽も作っていきたい」と述べている。
この姿勢こそが、本間昭光が手がける「意外な楽曲」の源泉なのかもしれない。

本間昭光の楽曲は、メジャーヒット曲の陰に隠れた珠玉の作品も含めて、日本のポップスシーンに確実に刻まれ続けている。
彼が生み出す「意外な楽曲」は、音楽ファンにとって新たな発見の喜びをもたらし、アーティストにとっては表現の可能性を広げる貴重な存在となっている。
これからも本間昭光のクリエイティブな挑戦から、どのような「意外な楽曲」が生まれてくるのか、音楽界全体が注目している。

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