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脱税したインフルエンサーはなぜそこまで有名になった?

2025年12月25日、衝撃的なニュースが報じられた。
インスタグラムで約47万人のフォロワーを持つインフルエンサー・宮崎麗果氏が、約1億5700万円の法人税と消費税の脱税容疑で東京地検特捜部に在宅起訴されたのだ。
「美しすぎるシングルマザー」として一世を風靡し、年商25億円の実業家にまで成り上がった彼女のストーリーは、成功と転落の劇的な物語を映し出している。
一体、彼女はどのようにして有名になったのか。
その波乱万丈な人生を辿ってみることにしよう。

政治家の娘からモデルへ—華麗なるスタート

宮崎麗果(本名・黒木麗香)は1988年2月3日生まれ。
長野県諏訪市出身で、東京都世田谷区で育った。
彼女の父親は、元参議院議員の白眞勲。
政治家一族に生まれたエリート家庭での幼少期を過ごした彼女は、やがてモデルとしてのキャリアへと進む。

16歳でモデルデビューを果たした彼女は、当時大学生だった時代、フジテレビの「キャンパスナイトフジ」にレギュラー出演。
渋谷の家賃30万円のマンションに住むセレブ大学生として、バラエティ番組『イチハチ』や『芸能★BANG』にも出演し、注目を集めた。
さらに19歳で、パリ社交界デビューを経験するなど、確かに華やかなキャリアを積み重ねていた。

だが、この時期から彼女の人生哲学が形作られ始める。
後のインタビューで彼女は、「学校から逃げ、芸能の仕事もパッとしないまま結婚に逃げ、結婚からも逃げ、自分と向き合うことからも”逃げっぱなし”の人生だった」と振り返っている。
外からは順風満帆に見えた人生も、本人にとっては葛藤の連続だったのだ。

シングルマザーの苦境—絶望から奮起へ

2019年、その転機が訪れた。
当時、第3子を妊娠中だった彼女は、別居・離婚を経験する。
この時点で彼女は、職歴も手に職も持たないシングルマザーになってしまった。
妊婦であり、子連れということで、採用してくれる企業は見つからない。
当時のインタビューで彼女は、「職歴のないシングルマザーの妊婦になってしまった」と語っている。

しかし、この絶望的な状況が、彼女を奮起させる。
現在の東京・渋谷区の広告代理店「株式会社Solarie」の起業を決意したのである。
2020年2月のことだ。

「ネットで調べてハンコを作るところから、定款を作成したり、登記申請したり……お金がないので、病室でできることは全て自分でやって起業しました。
SNSで営業し、クライアントさんとの打ち合わせや商談は病院の下にあるカフェで。
ほんとに必死でした」

この経験が、後の彼女の強みになる。
実績ゼロからのスタート、限られたリソース、子育てと事業の両立—すべてが彼女の起業家としての姿勢を育てたのだ。

インフルエンサー台頭—7000人から15万人への急速な成長

起業当初、株式会社Solarieは、美容関連企業からの広告依頼を受け、SNS運用戦略を提供する事業を開始した。
その中核となったのが、「宮崎麗果」というインスタグラムアカウントでの商品紹介だ。
彼女自身が、化粧品やスキンケア商品をインスタグラムで投稿することで、企業から高額な広告料を受け取るモデルである。

その効果は劇的だった。
2020年時点で約7000人だったフォロワー数は、2021年初頭には15万人を超え、さらにその後48万人近くにまで増加したのである。

「1年ぐらいで突然、Instagramで、15万人のフォロワーになったんです。
素直に嬉しいです。
だけど、よくDMで『見かけました!』って毎日のように来るから、まだ慣れてなくて」

このフォロワー増加は、単なる数字ではなく、彼女の影響力を象徴していた。
「宮崎麗果が紹介した物は動く」という評判が、各業界で広がったのだ。
企業にとって、彼女との広告契約は確実な売上につながるアセットとなった。

事業拡大と結婚による知名度爆発

2021年6月、彼女は化粧品OEM企業「株式会社Elevate」を設立し、スキンケアブランド「GENiS」をローンチした。
自らが実験台となって開発したこのブランドは、高い継続率(95%)を誇るなど、インフルエンサーとしてのブランド力を商品に直結させるビジネスモデルを完成させたのだ。

そして2021年12月、更なる転機が訪れる。
当時EXILEのメンバーだった黒木啓司との結婚発表だ。
この時点で彼女は、「実業家」「モデル」「インフルエンサー」「4人の子どもの母」という複数の顔を持つ存在として注目を集めた。

SNSでは、メルセデス・ベンツ・Gクラスやロールス・ロイスなどの高級車、ブランド品、そして家族との幸せなショットが投稿され、瞬く間にメディアに取り上げられた。
2022年10月には、植物療法の複合ウェルネス施設「Vitolabo」を夫とともに立ち上げるなど、事業はさらに拡大した。

その結果、年商は25億円に達したという。

高級品購入と税務申告のズレ—脱税への道

しかし、成功の陰で、税務申告上の問題が生じていた。

2025年12月24日、東京国税局は、Solarieと代表の宮崎麗果氏を法人税法違反などの疑いで刑事告発した。
その内容は、以下の通りである。

脱税の概要:

期間: 2021年1月期~2024年1月期(2年間)
隠ぺい所得: 約4億9600万円
脱税額: 約1億5700万円(法人税約1億2600万円、消費税等約3100万円)
手口: 架空の業務委託費を計上し、取引先に虚偽の領収書を作成させた

脱税で得られた金は、事業資金およびブランド品の購入に充てられたと見られている。
インフルエンサーとしてのイメージを保つため、新たなブランド品や高級車を購入し、それをSNSに投稿することで、フォロワー数の増加と広告料収入につなげるという戦略だったと指摘されている。

在宅起訴と本人のコメント

2025年12月25日、東京地検特捜部はSolarieと宮崎麗果氏を法人税法違反などの罪で在宅起訴した。
逮捕されることなく、在宅のまま刑事裁判へと進む見通しが示された。

宮崎氏は、自身のInstagramとSolarieの公式ウェブサイトで、以下のようなコメントを公開した。

「本件については、過少申告のご指摘を重く受け止め、深く反省しております。
専門家の助言のもと、必要な修正申告および納税に速やかに対応して参ります。
以後、正しい申告を徹底して参ります。

さらに、家族の関与を否定し、「GENiS、herbacie等のブランドを運営する法人および各商品・サービスは本件とは無関係であり、家族につきましても、本件とは関係ございません」とコメントしている。

納税意識の低さ—インフルエンサー業界の課題

この事件は、単に一人の起業家の失敗では終わらない。
インフルエンサー業界全体における税務管理の甘さを浮き彫りにした。

国税関係者は、以下のように指摘している。

「急増するインフルエンサーや動画配信者は、若くしてスマホ一台で大金を得てしまうことで、全員ではないが、納税意識の低い者も多い。
申告漏れや所得隠しは、水面下でかなりあると見て、AIも活用しながら調査を続けていく」

事実、2023年3月には、9名のインフルエンサーが約3億円の所得を申告漏れしていたことが判明し、約8500万円の追徴課税を受けている。
宮崎麗果事件は、決して例外ではなく、業界全体の問題の一つを示す事例なのだ。

結論—成功と転落の其所

宮崎麗果のストーリーは、現代社会における成功と失敗の複雑な関係を象徴している。

シングルマザーからインフルエンサーになり、年商25億円の実業家へと成り上がった彼女の過程は、確かに賞賛すべき点も多い。
限られたリソースの中で、SNSを最大限に活用し、事業を拡大させたビジネスセンスは、多くの起業家の参考になるであろう。

しかし一方で、急速な成長に伴い、適切な税務管理が追いつかなかった側面がある。
高い納税意識を持つことなく、脱税という違法行為に手を染めてしまった。
その結果、在宅起訴という法的処分を受けることになった。

SNS時代のインフルエンサーは、その影響力と同じ重さの責任も負わねばならない。
多くのフォロワーを持つ者こそ、社会規範を遵守し、正々堂々とした経営を示す義務がある。
宮崎麗果事件は、その重要性を改めて社会に問いかけるものとなった。

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