オリコン年間ランキング2025で2年連続6冠を達成
2025年12月17日、オリコンが第58回年間ランキング2025の結果を発表。
9人組グループのSnow Manが、作品別売上数部門で2年連続となる6冠を獲得しました。
これは一体どれほどのすごさなのでしょうか。
6冠の内訳:全主要部門を制覇
Snow Manが1位を獲得した6つの部門は、以下の通りです。
- 年間シングルランキング
- 年間アルバムランキング
- 年間合算アルバムランキング
- 年間DVDランキング
- 年間Blu-ray Discランキング
- 年間ミュージックDVD・Blu-ray Discランキング
作品別売上数部門には全部で10の主要部門がありますが、このうち実に6つすべてで1位を獲得するというのは、音楽業界でどれほど稀有な出来事なのでしょうか。
歴史的快挙:「史上最多」の6冠
実は、オリコン年間ランキングの歴史において、作品別売上数部門で6冠を達成したグループは過去に存在しません。
Snow Manが2024年に初めて6冠を成し遂げた時点で「史上最多」という記録が生まれました。
そして2025年、その栄光を再度獲得したことで、2年連続での史上最多記録となったのです。
令和時代に入ってから、このような完全制覇を達成したアーティストはSnow Manだけです。
CD、アルバム、映像作品のすべてのジャンルで日本中の音楽ファンから支持されているという証拠といえます。
1位受賞の主役たち:「THE BEST 2020-2025」と「SERIOUS」
ベストアルバムが圧倒的売上を記録
6冠に大きく貢献したのが、2025年1月22日に発売されたベストアルバム『THE BEST 2020-2025』です。
このアルバムの販売数は驚異的でした。
THE BEST 2020-2025の成績
- 期間内売上:158.5万枚
- 年間アルバムランキング1位
- 年間合算アルバムランキング1位
150万枚を超える売上は、ここ5年間ではほとんど記録されていません。
参考までに、150万枚超えの記録を持つアーティストは米津玄師の『STRAY SHEEP』(2020年発売)など極めて限定的です。
Snow Manは150万PT超えというポイント制の達成においても、嵐と米津玄師に続く史上3組目という栄誉を得ています。
さらに驚くべきは、このアルバムがオリコン歴代の記録を次々と塗り替えたことです。
2025年1月28日付の週間アルバムランキングでは、初週売上139.5万枚という令和最高初週売上を記録。
これは嵐の『5×20 All the BEST!! 1999-2019』(初週売上130.4万枚)を上回る記録です。
さらに2月3日付の週間合算アルバムランキングでは、自己最高となる週間139.5万ポイント(1,395,344PT)で通算5作目の1位を獲得。
加えて、この年間ランキング集計において、「合算アルバム」での期間内ポイント169.7万PTはオリコン史上初の記録となっています。
12枚目シングル「SERIOUS」が男性アーティスト史上初の快挙
一方、シングルランキングのトップに輝いたのは、2025年7月23日発売の12枚目シングル『SERIOUS』です。
SERIOUSの成績
- 期間内売上:97.5万枚
- 年間シングルランキング1位
このシングルには、男性アーティスト史上初という新しい快挙が隠れています。
SERIOUSが年間シングルランキング1位を獲得したことで、Snow Manは通算3度目の年間シングル1位アーティストになったのです。
これは、同じタイアップ曲やメジャーな楽曲が複数年に渡って継続的に支持されるという、非常に難しい条件を満たしたことを意味します。
SERIOUSは、渡辺翔太が主演を務めるホラー映画『事故物件ゾク 恐い間取り』の主題歌です。
映画とのシナジーも大きく、ミステリアスで中毒性のあるR&Bダンスナンバーとして、老若男女から人気を集めました。
初週売上は88.1万枚を記録し、シングル初週売上80万枚超えという指標で、男性アーティスト史上初となる通算9作目を達成しています。
また、11月19日には累計売上が1,007,056枚を超え、ミリオンセラーを達成しました。
映像作品でもオリコン史上初の2年連続制覇
さらに注目すべきは、映像作品の快進撃です。
Snow Manの初の5大ドームツアーを収めた『Snow Man Dome Tour 2024 RAYS』が、DVD、BD、ミュージックDVD・BDの映像3部門で同時に1位を獲得。
これがオリコン史上初の2年連続映像3部門同時1位なのです。
この映像作品に関しては、さらにもう一つの記録があります。
Snow Manの1作目の音楽映像作品から数えて、なんと5作連続初週売上30万枚超えという、これまたオリコン史上初の記録を達成しているのです。
2024年11月11日付の週間映像ランキングにおいても、「ミュージックDVD・Blu-ray Disc」で合計売上62.7万枚を記録し、嵐に次ぐ史上2組目となる3作連続初週売上50万枚超えを達成しています。
なぜSnow Manはこんなに強いのか?デビューから現在までの歩み
2020年のCDデビューから約5年で到達した高みの意味
Snow Manが現在の「9人体制」になったのは、2019年1月17日のことです。
関西ジャニーズJr.の向井康二、宇宙Sixの目黒蓮、少年忍者のラウールの3人が加入し、6人体制から9人体制へと進化しました。
そして2020年1月22日、シングル『D.D.』でCDデビューを果たします。
つまり、現在のSnow Manはデビューから5周年を迎えた時点で、この歴史的な快挙を成し遂げたのです。
わずか5年で業界の頂点に立ったSnow Manですが、その背景には、Jr.時代の長年の下積みがあります。
デビュー前、メンバーたちは先輩アイドルのバックダンサーとして、日々ステージに立ち、ファンからの支持を少しずつ獲得していました。
ダンスとアクロバットが生み出す独自のポジション
Snow Manが他のアイドルグループと異なる大きな特徴が、ダンスパフォーマンスの高さです。
グループ全体でアクロバットやダンスに定評があり、特にリーダーの岩本照が振り付けを手がけることでも知られています。
このダンス面での強さが、コンサートツアーやテレビ出演時のパフォーマンスを通じて、多くのファンの心をつかんできたのでしょう。
2024年の5大ドームツアーが分岐点だった
2024年11月から12月にかけて、Snow Manは初の5大ドームツアー『Snow Man Dome Tour 2024 RAYS』を開催しました。
札幌、名古屋、福岡、東京、大阪の5都市13公演で、全体で61.5万人を動員するという大成功を収めています。
このツアーは、STARTO ENTERTAINMENT所属のアーティストとしては、CDデビュー後、最速の約4年10ヶ月での5大ドームツアー実現でした。
SMAP、KinKi Kids、嵐、SUPER EIGHT(関ジャニ∞)に次ぐ5組目という、その名が挙げられる歴史的な達成です。
5大ドームツアーの成功が、そのままアルバムとコンサート映像の高い売上に直結し、2025年のオリコン6冠を産み出したといえるでしょう。
日本ゴールドディスク大賞での受賞歴も豪華
オリコン年間ランキングと並んで、日本の音楽業界における最高峰の賞が日本ゴールドディスク大賞です。
Snow Manの受賞履歴を見てみましょう。
- 第37回(2023年1月発表):アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽)、計7冠
- 第38回(2024年1月発表):アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽)3年連続受賞、計7冠
- 第39回(2025年1月発表):複数の受賞部門を獲得
このうち第37回、第38回の2年連続で、Snow Manは最高峰の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
このような栄誉は、個々の作品の売上だけでなく、年間を通じた総合的な活動成績を評価したものです。
シングルの初週売上80万枚超えで男性アーティスト史上初
SERIOUSについて、もう一つ触れておくべき記録があります。
初週売上が88.1万枚という、非常に高い数字を記録したのです。
このように初週売上が80万枚を超えるシングルを、Snow Manは通算9作も発表しています。
これは男性アーティスト史上初という快挙です。
つまり、同じグループから次々と大ヒットシングルが生まれ続けるという、日本の音楽史上でも稀有な現象が起きているわけです。
さらにSnow Manは、1stアルバム『Snow Mania S1』から『THE BEST 2020-2025』に至るまで、5作連続でのミリオンアルバム達成という前例のない成績も残しています。
これは1970年1月5日付からスタートしたオリコン週間アルバムランキングの歴史において、初めての記録です。
ファンの支持の源泉:9人それぞれの個性
Snow Manの6冠を語るうえで、見落としてはいけない要素があります。
それは個々のメンバーの活躍です。
9人のメンバーのうち、複数人がドラマ出演や映画出演、バラエティ番組のレギュラー出演などを通じて、全国的な認知度を高めています。
特に、SERIOUSの主題歌を担当した映画『事故物件ゾク 恐い間取り』の主演・渡辺翔太の知名度上昇は、シングルの売上にも直結しています。
このように、グループ全体としての活動と、個々のメンバーのソロ活動が相乗効果を生み出す、という好循環が、Snow Manを現在のポジションへと導いてきたのです。
競合との比較:嵐との距離
2000年代から2010年代を代表するグループとして、嵐の存在は欠かせません。
嵐は映像作品の売上で驚異的な数字を叩き出してきたグループです。
一方のSnow Manは、シングルとアルバムの売上において、嵐と並ぶか、あるいはそれを超える数字を残しています。
映像作品でも、2年連続で3部門同時1位という、これまでにない記録を樹立しています。
つまり、Snow Manは嵐とは異なる、独自の強みを確立しているわけです。
2025年が分岐点となった理由
2025年のSnow Manにとって大きな意味を持つイベントが、デビュー5周年です。
グループの歩みをまとめた『THE BEST 2020-2025』の発売は、この節目だからこそ実現した企画でしょう。
また、2024年に初めて5大ドームツアーを達成したことで、グループの人気が確固たるものになったと考えられます。
その直後の2025年1月には、その成功を記念するベストアルバムを発売し、その結果が158.5万枚という記録につながったのです。
つまり、2024年と2025年という2年間が、Snow Manにおける人気確立と成長の分水嶺だったといえます。
これからのSnow Man:さらなる高みへ
2年連続6冠という前例のない記録を樹立したSnow Man。
一つの問いが生まれます:これからはどうなるのか?
グループとしてのモメンタムは確実に上向いています。
2025年のシングル『SERIOUS』は、映画のタイアップという強力な武器を手に、年間シングルランキング1位を獲得しました。
今後も、メンバーのソロ活動や映画・ドラマ出演を通じた知名度拡大が、グループの売上を支え続けるでしょう。
また、ファンダム(ファンコミュニティ)の拡大も無視できません。
Snow Manの公式ファンクラブが発足し、オフィシャルYouTubeチャンネルも運営されています。
デジタルでの直接的なファンとの関係構築も、今後の成長の鍵となります。
まとめ:6冠とは何か
Snow Manの6冠は、単なる「売上ランキングの1位」ではありません。
- 音楽産業全体における彼らの圧倒的な影響力
- CD、アルバム、映像という複数の形式での消費者からの支持
- デビュー5周年という成長段階での確かな基盤確立
- 日本の男性アーティストの中での独特なポジション形成
これら全てが、6冠という1つの数字に集約されているのです。
2020年のCDデビューからわずか5年。
Snow Manはすでに日本の音楽業界における不動の地位を確立しました。
オリコン史上最多の6冠は、その事実を世間に知らしめる、象徴的な成績といえるでしょう。


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