2025年11月22日(土)のこの瞬間は、嵐ファン全員にとって長く待ちわびた「その時」であった。
嵐が『ARASHI LIVE TOUR 2026「We are ARASHI」』として、2026年春の最後のコンサートツアーの詳細を正式に発表したのだ。
ツアータイトルは『ARASHI LIVE TOUR 2026「We are ARASHI」』。
開催地は札幌・東京・名古屋・福岡・大阪の5大ドームで、全15公演が予定されている。 期間は2026年3月13日(金)から5月31日(日)までとなっており、文字通り「ラストスプリント」の約3ヶ月となる。
発表の瞬間、ファンクラブサイト上で5人が一堂に映った動画では、大野智がツアータイトルを発表し、相葉雅紀が「長らくお待たせしてすみません。 ついにですね、嵐のコンサートツアーの詳細を発表できることになりました!」と言葉を紡いだ。
松本潤は「活動が終了するその瞬間まで、一緒に走り続けていただけたらうれしいです」とメッセージを送っている。
ARASHI LIVE TOUR 2026「We are ARASHI」全15公演の日程
今回発表されたのは、札幌から東京まで5大ドームを巡る全15公演の日程である。 具体的には以下のようになっている。
大和ハウスプレミストドーム(札幌)
・2026年3月13日(金)
・2026年3月14日(土)
・2026年3月15日(日)
東京ドーム(4月公演)
・2026年4月1日(水)
・2026年4月2日(木)
バンテリンドーム ナゴヤ
・2026年4月6日(月)
・2026年4月7日(火)
・2026年4月8日(水)
みずほPayPayドーム福岡
・2026年4月24日(金)
・2026年4月25日(土)
・2026年4月26日(日)
京セラドーム大阪
・2026年5月15日(金)
・2026年5月16日(土)
・2026年5月17日(日)
東京ドーム(最終公演)
・2026年5月31日(日)
以上が、現時点で公式に発表されている全15公演の日程である。 3月中旬に札幌でスタートし、4月に東京・名古屋・福岡、5月に大阪、そして再び東京ドームでラストを迎える流れになっている。
会場のキャパシティをおおまかに見積もると、札幌ドームと東京ドームがそれぞれ約5万5000人前後、名古屋・福岡・大阪の各ドームが約4万〜4万5000人規模とされている。 これをベースに計算すると、全15公演でおよそ70万人前後の動員が見込まれる。
一方で、嵐のファンクラブ会員数は300万人規模とも言われており、「行きたいファン全員が現地に行けるわけではない」という現実が数字としても浮かび上がる。 このギャップこそが、今回のツアー発表直後から「追加公演はあるのか」が大きな話題になっている背景だと言える。
5×20 and moreに見る「追加公演」の前例
今回の「追加公演の可能性」を語るうえで、どうしても避けて通れないのが2018年〜2019年にかけて開催された『ARASHI Anniversary Tour 5×20』である。
このツアーは、当初18公演でスタートしたものの、後に32公演の追加が発表され、最終的には全50公演という前代未聞の規模となった。
追加公演の発表は、2018年12月23日の東京ドーム公演初日にサプライズで行われた。
この時、ファンの間では「まさかここまで増えるとは思わなかった」という驚きと同時に、「できるだけ多くのファンに生で見てもらいたい」というメンバーとスタッフの思いが伝わってきたという声が多く上がっていた。
結果的に5×20ツアーは約237万5000人を動員し、当時のファンクラブ会員数約230万人にほぼ匹敵する規模となった。
翔くんがMCで「ファンクラブ会員、全員が一度は行ける」旨を語ったエピソードが象徴するように、「ファン全員にチャンスを届ける」ための大規模な追加公演だったと言える。
こうした前例があるからこそ、今回の『We are ARASHI』でも「最初は15公演でも、どこかのタイミングでドーンと追加されるのでは」という期待が自然と高まっているのだ。
なぜ今回も追加公演が話題になるのか
今回のツアー発表を受けて、Xでは「追加公演期待派」と「現実的に見て難しい派」の両方の声が飛び交っている。
その一番の理由は、やはり「キャパシティ」と「ファンの数」のギャップである。
全15公演で動員できるのはおよそ70万人前後と見積もられる一方で、ファンクラブ会員は300万人規模とされているため、単純計算でも3人に1人も現地に行けない可能性が高い。
しかも、これは「ファンクラブ会員のみ」を想定した数字であり、一般枠や海外ファンまで含めると、体感的な倍率はさらに跳ね上がることが予想される。
さらに、今回は「グループとしての活動終了前、最後のツアー」という位置づけである。
2020年の活動休止前とはまた違う、「本当にこれが最後かもしれない」という空気感が強く、どうしても「現地で見届けたい」というニーズは過去最大級になると考えられる。
こうした状況から、ファンの間では「このままだと行けない人が多すぎる」「5×20のときみたいに、どこかでドカンと追加を出してくれないか」という声が自然と増えていった。
現時点で公式から追加公演のアナウンスはなし
一方で、2025年11月22日時点での公式発表では、「全15公演」と明言されており、追加公演についての言及は一切ない。 発表記事や会見のコメントでも、「追加」「and more」といった含みを持たせる表現は用いられていない。
過去の5×20ツアーのときは、スケジュールが進むにつれて徐々に「追加を検討している」といったニュアンスのコメントや、ファンの間での期待を煽るような空気感があった。
しかし、今回の『We are ARASHI』については、「活動が終了するその瞬間まで」という表現こそあるものの、「その先」を感じさせる直接的なコメントは現時点では見られない。
また、グループの状況も5×20当時とは大きく異なる。
二宮和也や松本潤が所属事務所を退所していることもあり、5人が同じスケジュールで長期的に動ける期間には、明確なリミットが存在すると見られている。
「5月いっぱいで区切りをつける」という構図がより強く前面に出ているのが、今回のツアーの特徴だと言える。
生配信という「もう一つの答え」
今回の発表の中で注目すべきなのが、「生配信を準備している」という一言である。
櫻井翔は「コンサートに参加できなかった多くの皆さまにも楽しんでいただけるよう、生配信の準備も進めております」とコメントしている。
これは、運営側が「全員を会場に入れることは不可能」という前提をはっきりと理解していることの表れとも受け取れる。
そのうえで、「会場の外にいるファンにもリアルタイムで体験を共有してもらう」という、新しい形での「全員参加」を目指しているとも言える。
Xでも「現地には行けないけど、生配信があるならまだ救われる」「チケット落選しても、同じ時間に同じものを見られるのはうれしい」といった声が多く見られ、物理的な追加公演だけが「救済策」ではないという空気感も広がりつつある。
追加公演は現実的にあり得るのか
ここで、多くのファンが気になっている「追加公演は本当にあり得るのか」という点を、あくまで現状の情報から冷静に整理してみる。
可能性を感じさせるポイント
・過去の5×20ツアーで、当初18公演から50公演へと大幅に拡大した前例がある。
・ファンクラブ会員数と会場キャパの差が非常に大きく、「行きたくても行けないファン」が大量に発生することは確実である。
・ツアータイトルが『We are ARASHI』であることから、「ファンと一緒に作り上げる時間」を最大化したいという思いが込められている可能性がある。
現実的なハードル
・グループとしての活動は2026年5月末で終了予定とされており、スケジュール的に6月以降の公演は想定されていないと考えられる。
・メンバーそれぞれの今後の活動(俳優業やバラエティ、個人事務所での仕事など)を踏まえると、追加で大規模な日程を確保するのは簡単ではない。
・公式発表時点で「全15公演」と明言されており、「and more」といった含みのある表現が用いられていない。
こうして整理すると、「絶対にない」と言い切れるほど可能性がゼロとも言えない一方で、「5×20のような大規模追加が確実にある」と期待し過ぎるのも危険、というのが現段階でのバランスだと言える。
チケット争奪戦にどう向き合うか
追加公演の有無にかかわらず、2026年のツアーが激しいチケット争奪戦になることはほぼ間違いない。 そのうえで、ファンとしてできることは何かを整理しておきたい。
まず最優先となるのは、ファンクラブ先行での申し込みである。 過去の傾向から見ても、ファンクラブ枠が最も当選枠が多く、一般販売だけでの当選に賭けるのはかなり厳しい戦いになることが予想される。
また、公演ごとの倍率にも多少の差が出る可能性がある。 たとえば、平日公演や、遠征が必要な札幌・福岡などは、土日・首都圏公演に比べれば若干倍率が落ち着く傾向があるとされている。 スケジュールに余裕がある人は、「あえて地方初日を狙う」という戦略も一つの選択肢になり得る。
一方で、「生配信」という選択肢を前提に考えることも大切だ。 現地に行けなかったとしても、同じ時間に画面越しにライブを共有できることで、「置いていかれた感」を少しでも減らせる可能性がある。
SNS(X)での反応とファン心理
ツアー詳細が発表されて以降、Xではさまざまな感情が入り混じった投稿が続いている。
「やっと日程が出た。 うれしい。 」「でも15公演は少なすぎる気がする。 」「5×20のときみたいに追加が来るって信じてる」といった期待の声の一方で、「倍率を考えると現地は無理かもしれない」「生配信にかけるしかない」と現実的な覚悟を決めるファンも少なくない。
また、「追加公演があったとしても、そこでまた倍率が上がってしまうだけでは」「無理をして遠征してでも、行けるチャンスがあるところに申し込む」という、戦略的な投稿も見られる。 チケットの当落だけでなく、遠征費や宿泊費など、現実的な問題も絡んでくるため、ファン一人ひとりが「自分にとってベストな選択」を探っている様子がうかがえる。
2026年春まで、嵐とどう向き合うか
ツアー開始までの約4ヶ月、そして最終公演の5月31日までの期間は、嵐とファンにとって「最後の時間」となる。 この時間をどう過ごすかは、ファン一人ひとりに委ねられている。
ファンクラブでのコンテンツ配信や、過去ライブ映像の見返し、セトリ予想や思い出の共有など、できることはたくさんある。 Xでも「今から5×20の円盤見直してる」「最後のツアーまでに全部のアルバム聴き直す」といった投稿が増えており、それぞれのやり方で「We are ARASHI」までの時間を楽しもうとしている姿が印象的だ。
追加公演の有無は、現時点では誰にも断言できない。 だが一つ確かなのは、「今、目の前にある15公演」は、嵐がファンに向けて差し出した最後の大きなギフトだということだ。
We are ARASHIというタイトルに込められたもの
最後に、ツアータイトル『We are ARASHI』に込められた意味について考えてみたい。
「We are」は、5人だけを指しているわけではないのかもしれない。 26年という長い時間の中で、嵐というグループは常にファンとともに歩んできた。 ステージに立つ5人と、それを支えるスタッフ、そして何より各地の会場を埋め尽くしてきたファンこそが、「We」のもう一つの主語だと言える。
5月31日、東京ドームで鳴り響く最後の一音まで。 そこに立ち会えるかどうかに関わらず、「We are ARASHI」という言葉を胸に、それぞれの場所からこのラストツアーを見届けることが、ファンにとっての「参加」のかたちになるはずだ。
追加公演があるのか、それともこの15公演がすべてなのか。 その答えは、これからの時間の中で徐々に明らかになっていくだろう。
ただ一つ言えるのは、今、この瞬間からすでに「ラストツアー」は始まっているということだ。 チケット申し込みを考え、生配信をチェックし、過去の思い出を振り返る。 そのすべてが、「We are ARASHI」という物語の最終章に向けた、大切な一ページになっていく。



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