2026年9月11日、東京ドームシティのプリズムホール。 ここを舞台に開かれた「東京ホラー特区!!2026」の初日、ホラーゲームの祭典とも言える「日本ホラーゲーム大賞2026 produced by 百室」の授賞式が開催された。 そのステージに登壇したのが、長年ホラーゲーム実況の第一線を走り続けるガッチマンだ。
この日、彼の髪は鮮やかな赤に染まっていた。 X上では「赤髪のガッチマン」という表現が広がり、「赤髪でDiorを身にまとったガッチマンとてもかっこよかった」「とうとう一人でTOP4カラーになった」といったファンの声が次々と上がった。 牛沢の緑、レトルトの黄、ガッチマンの青、キヨの赤——というTOP4のイメージカラーが、本人の髪色として揃った瞬間でもあったようだ。 落ち着いた物腰と穏やかな声音で知られる彼が、鮮やかな赤髪でステージに立つ姿は、多くの人に新鮮な印象を残した。
ガッチマンという人物
ガッチマンは1978年6月6日生まれ、埼玉県出身のゲーム実況者・YouTuberだ。 身長は176cm。 主にホラーゲームを扱い、チャンネル名は「あまり驚かないガッチマンはホラーゲームばかりやっている」。 2026年時点でメインチャンネルの登録者数は200万人を超えている。
実況の特徴は「解説実況」と呼ばれるスタイルにある。 プレイ済みのゲームを、落ち着いたテンションで丁寧に解説しながら進める。 恐怖を煽るのではなく、ゲームの仕組みやストーリーの面白さを伝えることに重点を置く。 ホラーが苦手な人でも安心して見られると評価され、長年支持されてきた。 代表的な作品として『バイオハザード』シリーズ、『SIREN』シリーズ、『サイレントヒル』シリーズなどが挙げられる。
名前の由来は中学生時代に遡る。 卒業式の予行演習で放送委員としてガッチャマンのテーマを使おうとしたところ、「ガッチャマン」というニックネームが付き、それが短縮されて「ガッチマン」となったという。 愛称は「ガッチさん」。
既婚者で二児の父。 妻は漫画家・ゲーム実況者のトラちん。 同じ実況者であるキヨ、レトルト、牛沢とともに「TOP4」と呼ばれ、コラボ実況も多い。 2023年には東京ドームで「TOP4 in TOKYO DOME」を開催するなど、活動の幅を広げてきた。
2020年からはサブチャンネル「ガッチマンV」でバーチャルYouTuberとしても活動を開始。 3Dアバターを使い、ホラー以外のゲームや雑談配信も行っている。
ゲームショウでの役割と「ガッチマン賞」
今回の「日本ホラーゲーム大賞2026」でガッチマンは審査員を務めた。 授賞式ではプレゼンターとしても登場し、ホラーゲームに関するトークも行った。
大賞は『SILENT HILL f』が受賞。 シナリオを『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07が手がけ、昭和日本を舞台にしたサイコロジカルホラーとして高く評価された。 優秀賞には『REANIMAL』『零 〜紅い蝶〜 REMAKE』『バイオハザード レクイエム』『MIMESIS』など、さまざまな作品が選ばれている。
特別賞のひとつに「ガッチマン賞」が設けられ、受賞作は『Dread Flats』(凶寓)となった。 中国を舞台にした一人称視点のホラーゲームで、1990年代のアパートを舞台に、失踪事件の真相を探る内容だ。 ガッチマン自身が実況動画で「今年一番怖いゲームじゃないかと思います」と評した作品であり、その印象が賞に直結した形となった。
このアワードは、2025年3月から2026年3月にリリースされたホラー表現を含むゲームを対象に、ユーザー投票、クリエイター・メディア投票、百室による審査を組み合わせて選出された。 ホラーゲーム専門のアワードとして初の試みで、予想を上回る投票数があったという。
赤髪がもたらした話題性
ガッチマンは以前、青髪をしていた時期があり、イベント前の投稿では「青髪の色落ちて草みたいな色になってます」と自ら明かしていた。 それがこの日、赤に変わっていたことで、ファンの間で一気に話題になった。
ステージ上では、トークの合間にも周囲の発言に大きめに相槌を打ち、セレモニーの際には一歩下がった位置取りをするなど、気遣いのある振る舞いが目立ったという目撃談も多い。 派手な髪色とは対照的に、あくまで「場を盛り上げつつ自分を出しすぎない」姿勢は、長年培ってきた実況スタイルそのものだった。
東京ホラー特区!!2026は9月11日から13日までの3日間、プリズムホールで開催されたイベントだ。 ホラーゲーム大賞のほか、インディー作品の表彰、グッズ物販、トークステージ、撮影会などが行われ、ホラーコンテンツを横断的に楽しめる場となった。
ガッチマンが続けてきたこと
ガッチマンの活動の根底にあるのは、「ゲームの面白さを伝え、実際に自分でプレイすることを勧める」という姿勢だ。 実況を「怖くて遊べない人のための代行」ではなく、物語やシステムの魅力を共有する場として位置づけてきた。 インディーゲームの制作者を支援する動きも見られる。
顔出しを控えつつも、イベントや公式番組には積極的に出演。 過去には東京ゲームショウなどでもMCやゲストとして活躍してきた経歴がある。 ホラーというジャンルを、カルトなものからより開かれたものへと広げてきた功労者の一人と言っていい。
赤髪の姿でステージに立ったこの日のガッチマンは、ただの「いつものガッチさん」ではなかった。 長年積み重ねてきた信頼と、視覚的な変化が重なり、新鮮な印象を残した。 特別賞に自分の名を冠した賞が生まれ、好きな作品を直接称える機会も得た。
ホラーゲームの世界は今、大作からインディーまで多様に広がっている。 その中で、落ち着いた解説と確かな目利きで道筋を示し続ける存在が、赤髪になってもなお、変わらずそこにいる。 ゲームショウのステージで見たその姿は、ファンにとって記憶に残る一場面となったはずだ。


コメント